森林資源のない川崎市では、有識者、公共・公益団体、民間事業者、官公庁にて構成する「川崎市木材利用促進フォーラム」を平成27年に立上げ、国産木材利用促進啓にかかる取組を実施、将来のフォーラムの自走化も目標の一つに掲げています。
当機構では、2019年~2022年に川崎市木材利用促進事業を受託、川崎市が推進する脱炭素社会の実現の一つに寄与する、国産木材の利用を促進する様々な取組の提案運営・事業化支援を行い、この川崎市木材利用促進フォーラムの活性化を図りました。
森林資源を活用した産業の創出には『川上・川下の協業で商流を生み出すこと』が必要です。殊に、森林資源の少ない都市部だからこそ、如何に国産木材に対する市民の意識を醸成し、消費行動の変容につなげる仕掛けができるか、この2つの観点から、多様な主体との連携共創となる取組の事業化を図りました。
実施概要・成果
フォーラム会員同士のコミュニケーションの活性化に向けた会議運用やルール設定、組織体系や体制の見直しを経て、フォーラムの基幹事業が整理されると、新規会員の参画が促進。
互いの顔の見える関係が構築されると、会員がグループを形成、自発的に木材利用促進を図る多岐にわたる取組が多く提案されるようになり、多様な主体が参画するフォーラムだからこそ可能な事業がかたちになりました。
林産地の視察ツアーや民間事業者向けセミナーなど、林産地の活性化と都市部の民間建築物への木材利用を促進する取組や、都市部での木材利用を促す新たな仕組みの導入も実現しました。
森林・植物・環境にとどまらない多岐にわたる分野と連携した、『五感』を通じて木の良さや木材利用の意義を伝える普及啓発イベントは、川崎駅前のラゾーナ川崎プラザを会場とした来場者1万人規模の木育イベントに成長。
ここで集約した市民の声を受け、川崎市内の公共施設や大型商業施設への新たな木製遊具におけるレンタルの仕組みが導入されるとともに、イベントのコンテンツのパッケージ化により市内商業施設などでのイベントの横展開の準備が進められるなど、フォーラム会員が中心となった取組が広がりはじめています。
当機構では、産官民連携など分野・所属を問わない組織体の構築支援や、地域経済循環を促すビジネス検討、既存の組織の活性化にかかる支援を行っています。
・目的に資する事業の洗い出し・ビジネス化
・事業推進に必要なマッチング・コーディネイト
・事業推進スキームの構築(地域商社等)
・運営体制および運営手法の見直し
多分野にわたる会員企業や外部の主任研究員と連携、事業のテーマや分野は問いません。ご興味がある方はお気軽にお問合せください。